雨漏り原因調査・雨漏り解決方法について
雨漏りには大きく分けて2種類。「台風後の雨漏り」は、瓦(かわら)の破損・飛散が原因が多く、「長雨中の、雨漏り」は屋根の経年劣化が原因かもしれません。
特に「長雨中の雨漏り」は、瓦が雨を吸水し、瓦の下の屋根土にも雨を吸収しきれくなった、普段の雨では、わかりにくい雨漏りです。
雨漏りは、屋根裏を湿っぽくして、木材が腐りやすい環境になるので、早めに対処しましょう。
ただし雨漏り修理に関しては”悪質なリフォーム訪問販売”のトラブルが多いようですので、訪問販売の場合、注意が必要です。高額ではないか、本当に必要な工事なのか検討してください。不審に思われたら、信頼のおける工務店さん、屋根屋さんに相談してください。相談できる業者がわからない場合、地域の消費生活センターもしくは、財団法人全日本瓦工事業連盟・大阪府瓦商工業協同組合(大阪瓦組合)などに加盟しているお近くの屋根工事店までお問合せください。大阪瓦組合加盟店は、消費者の立場にたって、良心的に対応する決まりがあります。
雨漏りの原因の一例
棟瓦下の地瓦(桟瓦)の不適切な施工
棟瓦の下の地瓦(じがわら)は、瓦の寸法割によって、カットしてその長さを調整します。
昔は、現在のようにディスクサンダー(電気式のカッター)が普及していなかったため、
金槌・たがね等を使って、コンコン寸法を調整していました。そのため職人の技量により、
カットしすぎた部分から、雨水が浸入する不具合があるようです。
シリコンの不適切な施工
(コーキングべた塗りの上に塗装)
瓦に施工する、シリコンコーキングはずれ防止の、接着剤として使うことができますが、
瓦の継ぎ目全体にシリコンを施工すると、雨漏りの原因になります。
瓦は、隙間から入ってしまった雨を、下側から排出する構造になっていますので、水をせき止めると雨漏りします。
棟面戸漆喰(むねめんどしっくい)の不適切な工事
屋根の漆喰の工事は、注意をしないと雨漏りを誘発する場合があります。
古い漆喰を取り外し、その上で新しい漆喰を施工します。
そのまま重ねて漆喰を施工した場合、棟瓦より漆喰がはみ出るなど、雨水を呼び込む場合があります。
ちなみに漆喰、シリコンの施工不具合で雨もりに困っておられる方は、訪問販売業者に工事を依頼されたケースが多いようです。
古い仕様・緩勾配屋根等、カラーベストへ不適切な塗装
(参考写真:カラーベスト・ペンキ塗装イメージ)
カラーベスト・コロニアル系の屋根材は、塗装後に、縁切りという作業が重要です。
ペンキ塗装後の屋根材は、塗膜によって入った雨水をせき止めてしまいまう恐れがあります。
特に勾配(屋根面の角度)の緩い屋根や、カラーベスト誕生初期の、「屋根材同士の
重なりが小さいタイプ」は塗装工事には注意が必要です。
谷板からの雨漏り
(写真左:銅板谷穴あき・右:亜鉛鉄板さび)
谷板には、雨水が集中するため、糸針ほどの小さな穴があいても雨漏りとなります。
古い谷板は、亜鉛鉄板や、銅板などで、厚みによって10~20年程度で交換しなければならない
場合があります。
交換する場合、新しい谷板は、さびにくいガルバリウム鋼板や、ステンレス板を使用します。
笠木の防水不良
(笠木板金に脳天から釘を打ち、塗装したままの雨漏り事例)
笠木板金の、天面に釘を打つ場合雨漏りの危険性があります。最低でもシリコン等で防水性を確保しなければなりません。
功栄産業ではやむを得ず笠木にビスを打つ場合、パッキン付ビスを併用し、水が流れるように勾配施工をするように工夫しています。